青空授業をマラウイで

マラウイで過ごす日々を綴ります。

調理実習

今週は調理実習がありました。

グループごとに分かれ、献立を決め、みんなで予算を決めて、事前の買い出し、そして本番…!
前日からみんなソワソワ。やっぱり楽しみのよう。

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火起こしから始めるってのが林間学校のよう!しかしマラウイの小学生の日常生活なのでお手の物のようでした。


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びっくりしたのが鶏や魚をおかずに買ってきてるチームがあったこと!マラウイでこのチョイスはかなりリッチです。先生たちも驚き。
作ったあとは一班一皿分、先生たちに差し出すことになってますが、お肉、魚がある班のお皿は人気だった…!

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そして、わざわざ「お裾分けはできません!!」という張り紙まで張っていました。


マラウイには何かを食べていると「カリブー!(一緒にどうぞー)」と他の人にその食べ物をシェアする文化があるのだけど、今日はカリブできないよ!ということで貼っていたよう。料理をしていると他学年の子が狙いにくるのだ。


一班一班見学してると「カリブー!」と結局、色々くれた笑
どの班も美味しかったー!

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とにかく生徒の、いつもと違った一面が見れて面白い一日でした。

欠席裁判

先週水木金は小学校の最高学年である8年生のための模試がありました。


この辺の地域にある小学校限定で行われた試験。5月初旬にある本番の卒業試験にむけての練習試験です。(ちゃんとしてる!)


ところで先月マラウイに来て一年が経過したため先々週JICA事務所で行われる中間報告に参加していました。

終わって帰ってきて久々に学校に行くと同僚の先生から「そういえば模試の試験監督に任命されていたよ」と言われました。
「ええ…?」となり急いで教頭に確認してみたら「詳しいことは後日説明するからちょっと待っててね!」とのこと。

後日って試験明後日からなんですが…?


そして蓋をあけてみたらスーパーバイザーという試験管理者的な立場に見事任命されていました。


なんで外国人の何も知らない一介のボランティアの私がなんでそんな役割担わされてるの…?なんで中国人がスーパーバイザーやってんの?って他の小学校の生徒びっくりするでしょ…?(大抵のこっちの人は東アジア系の人を全員中国人だと思ってる)


校長、教頭に「おかしいと思う」と抗議しに行きましたが「For your experience^^」と笑顔で言われ「大丈夫、試験用紙を試験監督に配るだけの簡単な仕事だよ。あとは、何か問題があったら校長に伝えればいいだけ。マラウイの試験の様子を知るにはとても良い経験になるよ!」とのこと。


試験の様子とか国違ってもどこも変わらんだろうし、マラウイの試験現場で起きうる問題とか大体予想つくので、お言葉ですが別にそのexperienceいらんけど…


他の隊員の方に話したら「欠席裁判だね…」と言われたけど、正に…


とりあえず覆せなさそうだったので1回限りのFor my experienceとしてやってみました。



そして予想通り、ただ試験用紙を配るだけの仕事ではありませんでした。

 


・アローアンス事件
まず全体を見渡す係の自分のほかに各教室で試験監督をする係の先生(マダム)たちが7人いたんですがアローアンスと呼ばれる手当費用に不満があるらしく私に訴えてきた。
「なんで昨日、試験の準備をしにこの学校にきたときのお金が含まれてないの?校長に言って!スーパーバイザーから!」。

え、スーパーバイザーってそういうこともしなくちゃいけないの…?
ところで昨日先生たちが準備しにここに来たのって午前中で、業務時間内だったじゃん…?
そしてそんなに欲しいなら自分たちで言ったらどうです…?


と思いつつとりあえず校長にそれを伝えたら「いやー試験管理委員会もお金ないんだよ。彼らにはしょうがないから我慢してって言って~」とのこと。自分で言え!笑 

「私の言っていることじゃ納得してもらえないので校長から説明してください」というと「わかった。」と一言。
しかし、その後試験終了時刻になるといつも校長どっか行ってて結局説明逃れ。
最終的にマダムたちは諦めていた…。



・試験用紙不足事件
試験用紙印刷は試験管理委員会のお仕事。スーパーバイザーは配るだけでよいらしい。
けれどその印刷された試験を数えると、予想通り足りない。
しかしどうせそういうこともあるだろうと予想できたので、早めにきてカウントして回避…!
できたと思ったのに、まだ足りない!
なんでだ?と思って試験を受けている生徒数をもう一度カウントしてみたら、前日最終確認した人数よりも増えていた。

この試験、事前に1950クワチャ(日本円にして300円弱)を払わないと受けることができない。
こちらの人からしてみると、決して安くない値段。当然払えない家庭もある。
払えない子はもちろん受けることはできない。私の赴任先の小学校から受けると事前に聞いていた人数は185人。
しかし本番でよーく数えてみると189人になっていた。4人増えてる…

これも校長に伝えると「ここに試験費用払った子の名前リストがある。リストに名前ないやつを炙り出して」とのこと。リストは順不同。試験番号も割り振られてない。選出するのにすごく時間がかかる…

結局時間がかかって選出できなかったので校長に「できませんでした!ていうか無理です!」と伝えると「じゃあ明日僕がやるよ」と言ってくださった。
次の日。
いつやるのかなー、早くわからないとまた余計な分刷らないといけなくなるんだけどなー、と思いながら校長が来るのを待っていると、試験開始直前にやってきた。
そして生徒全員を呼び出し、リストにある名前を呼んだ子から教室に行かせるという手法で炙り出しを開始。


結局追加の4人はお金を後から支払っていたらしく、ただリストから漏れていただけだった。その後試験を開始。時間の開始はもちろん遅れた。

…うんうん、まあ不正受験がなくて良かった良かった…

けどなぜ試験開始直前に行う?



・試験監督のマダムたち遅刻事件
試験開始15分前にはきてくださいと毎回伝えていた。が、みんな遅れる遅れる…。
大抵ぎりぎりの時刻、そして何人かは試験開始後に来た。
Sorryの一言もない。どこに行ってたんですか?いつきたんですか?と聞くとフフフと笑い目を反らす。

「なんで試験監督の先生は来ないの?タイムイズマネーだよ!!!」と生徒たちが怒っていた。
こっちの方、よく「タイムイズマネー!」と言っていてそれ聞く度に「それあなたが言う…?!」って思ってるけど今回は「よく言った!その通りだよ!ほんとに!」と思わず全面的に同意。



そんなこんなで何とか終わりましたが来月ある2度目の模試では絶対にやらないですと5回くらい教頭に伝えたところ「でもたくさん学べたでしょう?今後日本に帰ったあともきっと活かせるし、色々話のタネになると思うよ!^^」と言われました。

教頭先生は本当に良い方で、心からFor your experienceと思ってこういう機会をくださったんだろうと思うので、まあ確かにやってみてよかったなあと思えるようになりました。(一週間くらい経った今は)



終わってからもたまに通りすがりの8年生の生徒から「あ!スーパーバイザー!」と敬礼される。ちょっと面白い。ありがとう。

 

 

二度とやらないけどな…!!!!!!

気付けば三週目も終わり

もう学校が始まってから三週が経過している。
相変わらず日々大雨が続いている。


先々週のある日の午後、大雨のため、学校の敷地内にある教育委員会のオフィスで何人かの先生と一緒に雨宿りをしていた。


あとちょっとで終わりだね〜もう授業終わったしゆっくりしよ〜!
という雰囲気のところに突然教育委員長が入室し、「お願い!手伝って!」とのこと。


何かと思えば教育委員会のオフィスの倉庫に大量に眠っていた本や教材の整理。


それらは現地語(チェワ語)で書かれた本やプラスチックカード。

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(整理整頓から1週間経過の一昨日撮影、早速乱れていて少し悲しくなる)


全てUSAIDという国際協力を行うアメリカの組織(日本でいうJICA的な)が寄付したもので、ずっと倉庫で眠っていたけれど、明日視察が来るから整理整頓しなきゃ…!とのこと。


作業中、心からUSAIDさんに伝えたかった。


「おそらくかなりのお金をかけて作った教材、全く使用されていませんよー!!!!」
と…!


他の協力隊の方が入っている小学校にも入ってるこの教材。しかし倉庫に山積みになっているという話をよく聞く。


この教材だけでなく、私の行っている小学校では外国から寄付された様々な教材が、ほぼすべて倉庫に眠っている。


結局上からやりなさい!と言われてないし、授業カリキュラムに入ってないし、使い方よくわからないし使うの面倒くさいしで使われない。


赴任した当初、その現状を最初に見たときは、「こんなに援助でもらったものを粗末にして、どういうこと…!!」と驚いたけど、
今では、まあそんなもんだよなあ…と思う。



前に同じ協力隊の方(現職教員の方)と話していたとき、
「使いやすい教材は使うし、使いにくい教材は使わなくなる。マラウイも日本も同じだよね。」と仰っていて、その言葉が凄くしっくりきた。


せっかく誰かが作ってくれた教材だとしても、使いにくかったら使わない。使い方わからなかったら使わない。


配られた当初は使い方に関するレクチャーがあったのかもしれない。何かニーズを聞き取ってそこにアプローチしたものだったのだろうとも思う。もしかしたら今でも、使用説明書なり何なりがあるのかもしれない。


でも大抵の小学校にて、倉庫に眠るだけ。


援助するときは物をあげるだけではだめだ!とよく聞くけど、まさに、本当にそうだな〜、と実感した午後のひとときでした。


ちなみに7人掛かりで作業終了まで2時間かかった。
この日は疲れた…!

新年は雨とともに

先週から新学期スタート。
スタートは雨とともに。

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マラウイは12月〜4月はじめあたりまでが雨季でして、最近は毎日雨が降っています。
雨の音がうるさすぎて(トタン屋根なので音が響く)授業が中断になることもしばしば。
本の学校のように廊下があるわけではなく、クラスから出ればすぐ外なので、大雨のときは先生も生徒もみんな中に避難します。
電気はもちろんないので真っ暗。
暗いし狭いし暑い。


そんな中で雨音が小さくなるまで先生たちも生徒たちも皆、おしゃべりしたり、寝たり、外を見ながらボーッとしたりしてます。


それにしても今年は例年に比べて雨量がかなり多いらしく、あまりの多さにみんな困っています。


激しい雨のせいで、こちらの人々の主食のシマを作るもとになるとうもろこし(ほとんどの人が自分の家の畑で育てている)も、だめになってしまったり、外にあるトイレや家が壊れたという話も聞きます。


ただでさえマラウイにおいて食料が高くなる1月、2月に、この被害。そういったこともあってか最近、近隣で空き巣が頻発しています。


近所の同僚の先生の家で服が盗まれたり、隣に入っているNGОのテレビが盗まれたりしたという話を聞きました。怖!


そんな新年の始まりです。
気付けばあと一年。用心しながら頑張ります。

一学期終了

今日は終業式でした。
終業式ではクラスごと成績優秀者(1位〜3位)を発表し、鉛筆やノートなどのギフトを授与します。

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ここ最近はテストの丸付けやら成績表作りやらをやっていました。



やってることは単純ですが数が膨大でうんざりしました。
マラウイの小学校の先生方はこれを毎回、パソコンなしでやっているのか…と思うとスゴイなと。
絶対やだなと…!


ところでテストのタイピング(二度としない)や印刷をしてて思ったことがありました。

それは、
どうせ生徒の進級を決める際に3学期のテストの点しか考慮されないなら、1学期、2学期はプリントしたテスト用紙配ってテスト受けさせなくてよくない…?

全学年、黒板に書いてそれをノートの切れ端に写すのでよくない…?

ということ。


一学年350人近くいるとして、2枚のテスト用紙が必要だとしたらすぐに700枚近くの印刷用紙を消耗します。場合によっては3枚になったりします。そしてそれが4学年×6教科分あります。


紙代もトナー代も日本と同じなのでこっちの人からしてみたらとても高い…!
毎回子どもたちからテストを受けるお金を回収してるけど、全員が全員払っていないのです。足が出ます。


そんなに使う割に、大してこのテストに意味はないという…


それならそのお金でレンガ買ってみんなのために校舎建てたほうがよほど有意義な気が…
青空教室のクラスもまだあるし、先日の豪雨雷風で2年生、6年生が使っている校舎が壊れて使えなくなったし…


でもマラウイ全土で実施していることなので、これをこの学校の校長に提案したところでそんなの無理だよーってなりそうだけど…


現実に合ったやり方で、運営していけばいいのに…と、いろいろな場面で思います。




話は変わって7年生の算数のテストはかなりシンプルに作り、習ったことしか出しませんでした。


みんなも終わったあとは「簡単だったよ〜♪」と言っており、
(あーもっと難しく作ればよかったなあ…これじゃ高得点続出かな…!)と思いながら採点したところ


平均点49点…
高得点がバンバンいるわけでもなく…笑


でもみんな苦手の分数、小数の問題、3分の1以上の子は解けていて、最初と比べると大きな進歩!
他の学年の平均点と比べたらマシでした。(5年生、6年生、8年生は20〜40点くらい)


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↑試験前の自主勉強会のご様子


やっぱり圧倒的に反復練習が足りないようです。
みんなすぐ忘れちゃうんだろうな。


この休み期間にドリルを作ろう…!
ということで今日から冬休み。
しかし7年生は冬休み中も補講がある模様。何をしようかな。

タイピング地獄

 マラウイにある私が活動している小学校には、日本でいう校務分掌的な「委員会」と呼ばれるものがあります。

 

前学期のテストで色々問題があった(教員ストライキがなぜかテスト期間中に始まってしまい、テスト委員会メンバーと校長、教頭以外の先生たちが全然こない、問題用紙の文字がかすれていてよく見えない箇所多発)のを一緒に手伝った成果を見込まれ(?)てか、今学期から私もテスト作成委員会に加入されることになりました。

 

そしていよいよ今月末から学期末テスト。

 

ところでマラウイの小学校は学期末ごとにテストがあり、その点数60点分+それまでに受けた小テスト40点分の合計100点で成績が出されます。

 

ちなみに1学期と2学期の成績は進級に全く関係なく、3学期のテスト一本勝負で進級が決まります。このとき6科目の合計の半分以下(300点)の点数を取ると留年します。(一クラスの人数が多すぎて出席もあまり取られてないし、このシステムだったら1学期と2学期真面目に来る気失せると思うのですが…来てるみんな偉いな…)

 

それはいいとして、マラウイの小学校は生徒数多すぎて紙代とプリント代がとんでもないことになるため、1~4年生は黒板に板書されたテストを書き写して回答、5年生からやっと紙でテストを受けることができます。

 

いつもはテストのタイピングを業者(といってもタイピングできるその辺の人)に任せてるんだけど、どうやらそこから問題が漏れてカンニング事件が起きている…

どうしよう…!そうだ、今回からは彼女が委員会メンバーだし、パソコン持ってるし、タイピングできるではないか…!

ということでテストのタイピング役に任命されました。

 

6年生を持っているときにテストを見ていたらそんなに分量も多くなさそうに見えたので「全然いいですよ~」と言って引き受けました。

 

が、甘かった…

多い…7、8年生のテストの分量多い…

 

今週は授業以外はほぼタイピングして一日が終わりました。

 

元のテスト資料の提出が遅いのも相まって急ピッチでやらねば間に合わず、今週は8年生への算数の補講授業も教えられませんでした。

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この土日もタイピングしてます。肩が痛いです。

この後も寝るまでタイピングします。

 

来学期は引き受けないことを心に誓いました。

苦手の分数

私が教えている7年生は全クラス合わせて330人くらいいます。(例年に比べて2倍近く多いらしい…)


そんな彼らは5年生のときに分数の足し算、引き算を学習し、6年生で異分母の足し算引き算、掛け算、割り算を学習しています。


先週から分数の単元に入り、7年生では分数の四則混合計算を習います。


まあ算数が苦手な皆といえど、解き方を覚えてる子は3分の1程度はいるだろう…と
期待したけれど…


練習問題を与えてみるとあら不思議、それらの計算ができる子達は全体の1割にも満たなかった…(泣)
1割どころか、5人くらい。
そしてやっぱり、「分数って、そもそも何?」という感じ。
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どの単元を教えても、何故できないんだ…?とびっくりするほど算数が苦手な子が多いけど、教えればできるようになる子達も沢山いる。けどそんな教えればできるようになるような子達すら、できてない。


不思議に思って彼らを5年生のときから見ている先生に聞いてみると、どうやら5、6年時の算数の先生の教え方が良くなかった模様。


彼らが6年のときは私も既にいて、算数の授業をサポートしていました。
なのでその先生をよーく知っていて、その理由を聞いてとても納得…!
6年の内容が入ってないのはまああの先生だったからだろうな、と思ってたけど、まさかその先生5年生も担当してたとは…!


その先生は学校に来て、まともに授業しないで途中家に帰ったり、酒場に行ったりしていた(終業時間だけ帳尻合わせて帰ってくる…!)ので教え方が悪いとか以前の問題…(泣)


その先生と算数を組んで授業をしていた前学期。
教頭先生にあの先生に何とか言ってほしい、と一度懇願したり、他の先生もなんやかんや訴えたこともあってか?、その先生はこの学年と一緒にあがることはなく、今年から違う学年の担当になった。(その学年の子たちが可哀相だけど…)


何はともあれ、そういう先生に当たってしまったらもう終わりです。
なんせこの国の、特に高学年の教科書は、こんな感じで解説が全くないのです…
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そして、問題の答えは教員が持ってる教員ガイドにしか載ってない…

ドリルも参考書もない…
というか本屋が街にない…


塾に行っている子(ここにも塾があって、先生は大抵小学校の先生。違法のダブルワークをほぼ皆やっている!笑)や親が教えてくれる子ならまだ大丈夫だけれど、教員も分数の計算ができなかったりする。大半の大人はもしかしてできない…?


とにかく、時間をかけて教えていこうと思いました。
とりあえず今学期は四則混合計算は諦めました。