青空授業をマラウイで

マラウイで過ごす日々を綴ります。

欠席裁判

先週水木金は小学校の最高学年である8年生のための模試がありました。


この辺の地域にある小学校限定で行われた試験。5月初旬にある本番の卒業試験にむけての練習試験です。(ちゃんとしてる!)


ところで先月マラウイに来て一年が経過したため先々週JICA事務所で行われる中間報告に参加していました。

終わって帰ってきて久々に学校に行くと同僚の先生から「そういえば模試の試験監督に任命されていたよ」と言われました。
「ええ…?」となり急いで教頭に確認してみたら「詳しいことは後日説明するからちょっと待っててね!」とのこと。

後日って試験明後日からなんですが…?


そして蓋をあけてみたらスーパーバイザーという試験管理者的な立場に見事任命されていました。


なんで外国人の何も知らない一介のボランティアの私がなんでそんな役割担わされてるの…?なんで中国人がスーパーバイザーやってんの?って他の小学校の生徒びっくりするでしょ…?(大抵のこっちの人は東アジア系の人を全員中国人だと思ってる)


校長、教頭に「おかしいと思う」と抗議しに行きましたが「For your experience^^」と笑顔で言われ「大丈夫、試験用紙を試験監督に配るだけの簡単な仕事だよ。あとは、何か問題があったら校長に伝えればいいだけ。マラウイの試験の様子を知るにはとても良い経験になるよ!」とのこと。


試験の様子とか国違ってもどこも変わらんだろうし、マラウイの試験現場で起きうる問題とか大体予想つくので、お言葉ですが別にそのexperienceいらんけど…


他の隊員の方に話したら「欠席裁判だね…」と言われたけど、正に…


とりあえず覆せなさそうだったので1回限りのFor my experienceとしてやってみました。



そして予想通り、ただ試験用紙を配るだけの仕事ではありませんでした。

 


・アローアンス事件
まず全体を見渡す係の自分のほかに各教室で試験監督をする係の先生(マダム)たちが7人いたんですがアローアンスと呼ばれる手当費用に不満があるらしく私に訴えてきた。
「なんで昨日、試験の準備をしにこの学校にきたときのお金が含まれてないの?校長に言って!スーパーバイザーから!」。

え、スーパーバイザーってそういうこともしなくちゃいけないの…?
ところで昨日先生たちが準備しにここに来たのって午前中で、業務時間内だったじゃん…?
そしてそんなに欲しいなら自分たちで言ったらどうです…?


と思いつつとりあえず校長にそれを伝えたら「いやー試験管理委員会もお金ないんだよ。彼らにはしょうがないから我慢してって言って~」とのこと。自分で言え!笑 

「私の言っていることじゃ納得してもらえないので校長から説明してください」というと「わかった。」と一言。
しかし、その後試験終了時刻になるといつも校長どっか行ってて結局説明逃れ。
最終的にマダムたちは諦めていた…。



・試験用紙不足事件
試験用紙印刷は試験管理委員会のお仕事。スーパーバイザーは配るだけでよいらしい。
けれどその印刷された試験を数えると、予想通り足りない。
しかしどうせそういうこともあるだろうと予想できたので、早めにきてカウントして回避…!
できたと思ったのに、まだ足りない!
なんでだ?と思って試験を受けている生徒数をもう一度カウントしてみたら、前日最終確認した人数よりも増えていた。

この試験、事前に1950クワチャ(日本円にして300円弱)を払わないと受けることができない。
こちらの人からしてみると、決して安くない値段。当然払えない家庭もある。
払えない子はもちろん受けることはできない。私の赴任先の小学校から受けると事前に聞いていた人数は185人。
しかし本番でよーく数えてみると189人になっていた。4人増えてる…

これも校長に伝えると「ここに試験費用払った子の名前リストがある。リストに名前ないやつを炙り出して」とのこと。リストは順不同。試験番号も割り振られてない。選出するのにすごく時間がかかる…

結局時間がかかって選出できなかったので校長に「できませんでした!ていうか無理です!」と伝えると「じゃあ明日僕がやるよ」と言ってくださった。
次の日。
いつやるのかなー、早くわからないとまた余計な分刷らないといけなくなるんだけどなー、と思いながら校長が来るのを待っていると、試験開始直前にやってきた。
そして生徒全員を呼び出し、リストにある名前を呼んだ子から教室に行かせるという手法で炙り出しを開始。


結局追加の4人はお金を後から支払っていたらしく、ただリストから漏れていただけだった。その後試験を開始。時間の開始はもちろん遅れた。

…うんうん、まあ不正受験がなくて良かった良かった…

けどなぜ試験開始直前に行う?



・試験監督のマダムたち遅刻事件
試験開始15分前にはきてくださいと毎回伝えていた。が、みんな遅れる遅れる…。
大抵ぎりぎりの時刻、そして何人かは試験開始後に来た。
Sorryの一言もない。どこに行ってたんですか?いつきたんですか?と聞くとフフフと笑い目を反らす。

「なんで試験監督の先生は来ないの?タイムイズマネーだよ!!!」と生徒たちが怒っていた。
こっちの方、よく「タイムイズマネー!」と言っていてそれ聞く度に「それあなたが言う…?!」って思ってるけど今回は「よく言った!その通りだよ!ほんとに!」と思わず全面的に同意。



そんなこんなで何とか終わりましたが来月ある2度目の模試では絶対にやらないですと5回くらい教頭に伝えたところ「でもたくさん学べたでしょう?今後日本に帰ったあともきっと活かせるし、色々話のタネになると思うよ!^^」と言われました。

教頭先生は本当に良い方で、心からFor your experienceと思ってこういう機会をくださったんだろうと思うので、まあ確かにやってみてよかったなあと思えるようになりました。(一週間くらい経った今は)



終わってからもたまに通りすがりの8年生の生徒から「あ!スーパーバイザー!」と敬礼される。ちょっと面白い。ありがとう。

 

 

二度とやらないけどな…!!!!!!